川舟は昼間でもラブホテル

今も昔も水のあるところは、ロマンチックということになっています。海や湖などは、景色の良さがラブロマンスを盛りあげるのに一役買っているのかもしれません。昔は大勢の人が一か所に集まるということは、そうそう頻繁にはありません。祭りなどの機会に出会い、水 辺でデートすることが多かったようです。そうして、気持ちが盛り上がったら、どこでセックスすればよいのでしょうか? 舟に乗るしかありません。

デートスポットは川

現代なら、新宿や渋谷周辺に行けば、365日24時間いつでも人が大勢いますので、出会いのチャンスはいくらでもあるでしょう。しかし、江戸時代には、寺社神社のお祭りの時などにしか人は集まりません。そのような場で声をかけて口説いたり口説かれたりという、恋 愛がありました。友達の紹介で知り合い、神社でデートなどと言うこともあったでしょう。

祭りは人々の気持ちを興奮させます。ウキウキする気持ちを持つ男女が出会えば、恋愛感情が生まれやすいのは必然です。そうして出会った男女が、デートに選ぶのは水辺。海に近いエリアの人なら海辺に行くでしょうけれど、自動車のない時代のことですので、奥地に住む 人たちは海までは行けませんから、彼らのデートスポットは川でした。

川でデートをすれば川辺でセックスするしかありません

なぜか人は水の近くにいくと興奮します。海に向かって「好きだー」と叫ぶようなことは、きっと江戸時代の若者もしていたでしょう。川辺でのデートでは、盛り上がった雰囲気のまま肩を抱きキスをして、草むらに押し倒してということもあったはずです。そんな事態を予 想して、若者はハチミツをなめてデートに向かいました。多産な虫として知られる蜂の巣には精力を高める効果があると信じられていたからです。現代の我々は医学的な裏付けがあり、効果もしっかりしたバイアグラなどのED治療薬がありますが、この時代にはハチミツやオッ トセイのペニスを粉末にしたものなどが重宝されていたそうです。しかし当時の庶民にはこれらの品を手に入れるのも一財産を費やすことになったでしょう。現在はクリニックで簡単な診察を受ければ簡単にバイアグラを入手できますから、いい時代になったものです…。

しかし、草むらではセックスはなかなかできません。夏であれば川辺には、川舟がたくさん出ています。二人きりになるために舟に乗ることもありましたが、船頭が邪魔です。そこで、桟橋ではない川辺に舟を寄せさせ、船頭には金を払って降りてもらいます。そうして男女 は、こそこそと性行為をします。

江戸時代には、川舟はラブホテルとして活用されていたようです。「今度は川辺でデートしよう」と誘えば、「セックスするよ」というサインでもあったわけです。江戸時代の艶本(えんぼん)には、隅田川べりに住む家の二階から、川舟の中で男女が性交する様子を望遠鏡 で覗く場面も描かれています。川辺はのぞきのメッカでもあったのでしょう。

江戸時代の川舟は昼間も夜もラブホテルとして利用されていました。川辺に寄せて船頭を追い払って、青空の下で性行為をしていたようです。

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